生活習慣病シリーズ vol.3

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生活習慣病シリーズ vol.3

[~諸刃の剣 糖~]

前回は『~病気のモトは過剰な内臓脂肪~』と題して
内臓脂肪の蓄積が、糖尿病や高血圧、脂質異常症などを引き起こしやすくし、それらの危険因子が重なると動脈硬化を進行させる危険が高まるという話をしました。

『~病気のモトは過剰な内臓脂肪~』(前回のコラムはこちら)

今回は毎日の食事と密接に関わる”糖代謝”についてお話ししていきます。

糖質は体の主要なエネルギー源

糖質は私たちの体を動かすために使われ体温を保ったり、体の修復にも使われます。特に脳にはエネルギー源として必要でなくてはならないものです。
一般に1日の必要摂取カロリーの60%を糖質から摂るのが望ましいとされています。不足すると体力や集中力の低下を招きます。
ですが、過剰に取り過ぎた場合は、体内で中性脂肪として蓄えられたり、血糖値が高い状態を招くと生活習慣病の原因となります。

私たちが日々食べるご飯やパン、麺などの糖質(炭水化物)は体内で分解され、ブドウ糖となって血液中に送り出されます。
健康診断などでよく聞く「血糖値」とは、この血液中にあるブドウ糖の値のこと。食事などによって血糖値が高くなると、すい臓からインスリンというホルモンが分泌されます。血糖をエネルギー源として各細胞に取り込んだり、余った分は筋肉や脂肪に溜め込むように促して血糖値を下げていきます。

このように食事から摂取したエネルギーを使ったり蓄えたりする一連の流れを糖代謝と言います。

健康な方であれば血糖値を上げるホルモン(グルカゴン)や下げたりするホルモン(インスリン)がきちんと働き、血糖値が上がり過ぎたり下がり過ぎたりすることはありません。

糖質は体のエネルギー源

年々増える糖尿病患者

血糖値が高い、いわゆる高血糖の状態が続くと糖尿病と診断されます。
日本人の6人に1人が糖尿病(予備軍を含む。厚生労働省「平成28年 国民健康・栄養調査」より)だと言われています。

:参考:
糖尿病の診断基準
・早期空腹時血糖値 126mg/dl 以上
・75g 経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)2時間値 200ml以上・随時血糖値 200Mg/dl 以上 HbAlc6.5%以上のいずれか

糖尿病は自覚症状が乏しい疾患ですが、高血糖の状態が続くと、体の中では血管の弾力性が失われ傷ついていきます。
血管(毛細血管)は全身の器官や臓器に栄養や酸素を供給していますが、傷つきモロくなった血管は全身の臓器への適正な栄養の供給が途絶えてしまうのです。そのため症状は全身に及びます。気づいた時には網膜症や末梢神経障害、腎症などを引き起こすため注意が必要です。

糖尿病の初期症状

 ・視力が低下する
 ・目がかすむ
 ・手足のしびれ
 ・足がつる
 ・冷え
 ・足のむくみ
 ・傷が治りにくい
 ・皮膚の病気

など、チェックが多くついた方は要注意。

なんと6人に1人が糖尿病及び予備軍!?

高血糖を防ぐには

それでは高血糖状態はどうしたら防げるのでしょうか。
高血糖の具体的な原因としては以下のものが挙げられます。

・甘味(食事に含まれる糖質)

  糖質は生きるために大変必要なエネルギー源ですが、摂り過ぎはインスリンの効きが悪くなります。特に甘いものなどの単糖を含む食品は急激な血糖値上昇の原因になり得ます。

:参考:
血糖値を上げやすい食品
糖質、なかでも精製された白米、パン、麺類
白砂糖などの単糖を含むお菓子
炭水化物を多く含む野菜・果実類(かぼちゃ・スイカ・にんじん)

・ストレス過多

  ストレスを感じるとコルチゾールという血糖値を上昇させる作用のあるホルモンが分泌されます。また、ストレスはインスリンに対する感受性が鈍くなり、血糖値が下がりにくくなることがわかっています。

・運動不足

  筋肉量が減ると、筋肉のブドウ糖消費量が減り、血糖値が上がりやすくなります。

・睡眠不足

  睡眠不足や睡眠の質が悪いこと、睡眠リズムの乱れは、インスリンに対する感受性を鈍くさせます。結果として高血糖のリスクとなります。

・遺伝的な要因(糖尿病になりやすい体質)

  2型糖尿病の原因となる遺伝子異常が何種類か見つかっています。ほとんどは軽い異常が複数積み重なって体質を形成し、加えて食習慣などの環境要因が加わり発症していると考えられています。

日々の生活習慣を振り返ってみよう

このように日々の生活習慣が強く影響していることがわかります。

ここに高血糖を招きやすい食習慣を紹介します。

✓ 不規則な食事時間
✓ 朝食抜き、夕食抜き
✓ 遅い時間の夕食
✓ 量の多い食事
✓ 間食・夜食
✓ 早食い
✓ アルコールの過剰摂取
✓ 外食が多い
✓ 甘いものをよく食べる
✓ 食物繊維を含む玄米などの全粒穀物、野菜やキノコ、海藻類の摂取が少ない

いかがでしたでしょうか?

自分の食生活を振り返ることで毎日の生活習慣を見直し、よりよい食習慣を増やしていけると良いですね。

では、また次回にて

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